ManabeLab

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UIST2022でデモ発表を行いました(B4 鈴木)

2022年10月29日~11月2日にかけて、アメリカ合衆国、オレゴン州ベンドにて開催されたUIST2022に真鍋宏幸教授と学部4年の鈴木が参加しました.

はじめに

こんにちは,実世界インタラクション研究室B4の鈴木智仁です. 今回私は,2022年10月29日にアメリカ合衆国のオレゴン州ベンドにて開催されたUIST2022にて,「A bonding technique for electric circuit prototyping using conductive transfer foil and soldering iron」というタイトルでデモ発表を行いました.

研究概要

個人でのモノづくりにおいて,電子回路は表現の幅を大きく広げてくれる重要なツールです.特に,プリント基板は配線や形状の自由度が高く,ユーザの好みに合った形状の回路で多様な機能を実現することができます.しかし,プリント基板の外注は,金銭面のコスト(輸送料込みで少なくとも2000円)と,時間的なコスト(基板発注から到着まで短くても数日かかる)が大きく,プリント基板のプロトタイピングは困難です.この課題を解決するために,「デザイン自由度の高さ」と「プロトタイピングのし易さ」を両立した電子回路作製手法が先行研究で数多く提案されています.しかし,これらの手法のほとんどは,素材の関係で部品実装に従来のはんだ付けを用いることができません.  もちろん,はんだ付け以外にも電子部品を電気的に接続する方法は多くありますが,導電性や実装の細かさに関しては,従来のはんだ付けに劣ります.この課題に対して,我々は導電転写箔とはんだごてを組み合わせた,プロトタイピング向けの部品実装手法を提案しました.

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導電転写箔を素材面に転写すると,熱可塑性樹脂と銀粒子で構成された導電性のペーストが素材面に付着します.このペーストの上に部品の電極を乗せ,はんだごてで温めることで熱可塑性樹脂が溶けて部品の電極がペーストに沈みこみます.はんだごてを離すと熱可塑性樹脂が冷却され,再び凝固します.この一連の流れによって,転写箔の導電ペーストが部品と配線をつなぐ接着剤として機能します.また,この導電ペーストは熱で溶けても平面方向には広がらないため配線のショートは起きません.(詳しくは下記の動画をご覧ください) 評価の結果,この手法は低抵抗(パッド1箇所辺り0.4Ω程度)かつ,1.27mmピッチの細かい部品実装が可能であることが分かりました. 投稿論文: https://dl.acm.org/doi/10.1145/3526114.3558670 投稿動画: https://youtu.be/oSsnAy4BikQ

デモ発表の様子

UIST2022のデモ発表は,来場者がドリンクを片手に研究の展示を自由に練り歩き,デモ発表者と研究について議論し合う,非常に賑やかなセッションでした. 自分にとっては初の学会発表で,デモセッション始めの方は緊張していましたが,来場者の方と交流していくにつれて徐々に緊張がほぐれ,最後の方では、来場者との交流を楽しみながらデモ発表を行うことが出来ました.

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余談ですが,対面形式の発表だと,ボディランゲージ等による非言語コミュニケーションが結構使えます.なので英語が苦手な人(主に私)でも研究発表は十分可能です! (笑) なので英語力(あるに越したことはない)よりも,熱心に研究の良さをアピールする気持ちや気概(あと発表に必要な機材)をしっかり準備することの方が大事だな,と発表を終えてしみじみ感じました.

UIST2022全体の感想

上記のデモセッション以外にも,東大の暦本先生や,NTTの山田渉さんなどの著名なHCI研究者の方々と交流できるので,対面形式でのUIST参加は非常に勉強になりました. また,UISTに限らず,学会を当事者として楽しむためには,自分の発表以外を一所懸命にやるほかにも,とにかく質問することが大事だなと感じました. ちなみに自分は,ポスター発表のセッションにて,拙い英語で積極的に突撃しまくりました.

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発表者の方も,私の質問の意図をくみ取ろうとしてくれるので, コミュニケーションは大抵成立します.また,そこから新たな知見が得られたりもするのでおススメです.(ちなみに口頭発表でも質疑応答の機会がありましたが,自分は勇気が出ずに質問できませんでした(笑),今ではちょっと後悔してます) また,学会開催中に大雪が降ったため,オレゴン州の2種類の景色を体験できました.(防寒具持ってきて本当に良かったです・・・)

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おわりに

人生初の海外学会参加ということもあり,非常に緊張しましたが,非常に多くの経験を得ることができました. 特に対面でしか得られない海外の学会の雰囲気を体験できたことが大きかったと感じています.

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最後になりますが,研究を進めるうえで,真鍋教授,今井先輩には,大きな助力とアドバイスを沢山頂きました,お二人の助力がなければ私はこの貴重な経験を得ることはできませんでした.また,実世界インタラクション研究室の皆様にも研究について,沢山意見を寄せていただきました.この場を借りて御礼申し上げます.ありがとうございました!

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